「インターネットが使えない特殊な環境でも、リッチなデジタル体験を提供したい」 「既製品では対応できない自社特有の要件を、ゼロからスピーディーに開発してほしい」
多くの企業がDXを推進する中、特に冠婚葬祭の式場やイベント会場など、外部ネットワーク接続が制限される環境でのIT化は大きな課題となっています。従来のクラウド活用を前提としたシステムが導入できず、DXが停滞するケースも少なくありません。
本記事では、株式会社ALBYが「外部インターネット遮断環境」という特有の制約に対し、どのようにして「ゼロからの開発」と**PoC(概念実証)**的なアプローチで、冠婚葬祭用デジタルサイネージソフトウェアをわずか5ヶ月で開発したのか、その成功事例をご紹介します。
クライアント概要:東京を拠点とする写真関連事業者様
- 業界: 写真・イベントサービス
- 地域: 東京
- 規模感: 従業員数 20名以上
冠婚葬祭をはじめとする各種イベントの写真・映像サービスを提供されており、DX化による新たなイベント体験の創出を模索されていました。
開発課題:オフライン環境での稼働とリアルタイム操作:既製品では対応できない冠婚葬祭DXの壁
クライアント様は、冠婚葬祭のDX化・IT化を推進し、従来の形式にとらわれない新しいイベント体験を創出すべく、デジタルサイネージソフトウェアの導入を計画されていました。
しかし、その実現には大きな障壁がありました。
- オフライン(インターネット遮断)環境での動作: 最大の課題は、多くの冠婚葬祭式場がセキュリティポリシー上、外部インターネット接続を許可していない点でした。そのため、一般的なクラウドベースのサイネージシステムは利用できませんでした。
- 既製品では対応できない特殊要件: 既製品の多くはオフライン動作に対応しておらず、仮に対応していても「スマートフォンやタブレットから、その場でリアルタイムに表示内容を切り替える」というクライアント様独自の運営要件を満たすものがありませんでした。
- 迅速な開発ニーズ: 新しいイベントサービスの目玉として、特定のシーズンまでにソフトウェアを完成させ、導入を開始する必要がありました。
これらの課題を解決するため、特殊な要件下での「ゼロからの開発」実績を持つALBYにご相談をいただきました。
ALBYのソリューション:PoC的アプローチによるフルスクラッチ開発と、2名体制でのスピード完遂
ALBYは、クライアント様の課題に対し、無理に既存のクラウド活用を前提とせず、ローカルネットワーク内で完結するフルスクラッチ(ゼロからの開発)を提案しました。
1. 2名体制によるフルスクラッチでのスピード開発
本プロジェクトは2019年と、現在のAI・生成AIが普及する以前の案件ですが、ALBYの強みである「迅速な開発体制」は当時から一貫しています。 少数精鋭の2名体制を敷き、クライアント様の要件定義から設計・開発・テストまでを一気通貫で担当。ローカルサーバー(PHP)とフロントエンド(Vue.js)を連携させ、オフライン環境で完全に動作するシステムをゼロから構築しました。
2. ウォーターフォールの中でのPoC的アプローチ
プロジェクト形式は「ウォーターフォール」でしたが、ALBYはその中にアジャイル開発的な要素を取り入れました。
- 早期のプロトタイプ(PoC)提案: 開発の初期段階で、最も懸念されていた「スマホからのリアルタイム切り替え」機能のデモ・プロトタイプを先行して作成し、提示。
- 手戻りの防止: これにより、実際の操作感や挙動についてクライアント様と早期に認識を合わせることができ、開発終盤での「思っていたものと違う」という手戻りを完全に防止しました。これは実質的なMVP開発(実用最小限の製品)の検証プロセスに近いアプローチです。
3. Vue.jsによる直感的な操作UIの実現
サイネージの表示内容をリアルタイムで操作する管理画面(スマートフォン・タブレット用)には、Vue.jsを採用。式場のスタッフが誰でも直感的に操作できる、スムーズなUI/UXを実現しました。
採用技術スタック:オフライン環境での安定稼働を実現する構成
- Vue.js: スマートフォン・タブレット用のリアルタイム操作画面(UI)およびサイネージ表示画面の構築。
- PHP: 式場内のローカルサーバーで動作するバックエンドシステムの構築。
導入効果:5ヶ月での認識齟齬なき完遂と、新たなイベント体験の創出
ALBYのソリューションにより、クライアント様は以下の成果を実現されました。
- 5ヶ月という短期間での開発完遂: 2名体制という少数精鋭ながら、計画通り5ヶ月で高品質なソフトウェアを納品。クライアント様のビジネスチャンスを逃しませんでした。
- 早期プロトタイプ提案による「認識相違ゼロ」の実現: 開発初期のPoC的なアプローチが功を奏し、プロジェクト完了までクライアント様との認識のズレが一切発生しませんでした。
- 冠婚葬祭DXの実現: インターネットが遮断された環境でも、参加者のスマートフォンと連動したリアルタイムな演出が可能となり、クライアント様が目指す「新しいイベントの創出」に大きく貢献しました。
まとめ:PoCとゼロからの開発力で、特殊要件のDXを実現
本事例は、たとえオフライン環境という制約があっても、適切な技術選定(フルスクラッチ開発)と**PoC(概念実証)**的なアプローチ(早期プロトタイプ提案)により、短期間で高品質なシステム開発が可能であることを示しています。
株式会社ALBYは、このような特殊要件に応じたゼロからの開発やMVP開発のご支援はもちろん、現代の主流であるクラウド活用、柔軟なアジャイル開発、さらには最新のAI・生成AIを組み込んだシステム開発まで、お客様のあらゆるDXフェーズに対応する技術力と推進力を持っています。
「既製品では対応できないシステムを、ゼロから構築したい」 「アイデアを素早く形にするPoCやMVP開発のパートナーが欲しい」
このような課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度、株式会社ALBYにご相談ください。


