「SaaS事業が成長し、新規機能開発の要求は多いのに、開発リソースが全く足りない」 「開発スピードを優先した結果、コンポーネントが散乱し、技術的負債となって開発効率を下げている」 「複数のサービスを展開する上で、UI/UXの統一と開発効率化のため、コンポーネントを共通化する仕組みが欲しい」
SaaSビジネスの成長期において、このような「開発リソース不足」と「技術的負債の蓄積」は、多くの企業が直面する深刻な課題です。
本記事では、株式会社ALBYが、賃貸入居者向けSaaSを運営するクライアント様に対し、どのように「即戦力リソース」としてアジャイル開発チームに参画し、技術的負債の解消と開発プロセスの抜本的な改善(CI/CD導入)まで実現したのか、その支援事例をご紹介します。
クライアント概要:東京を拠点とする不動産テック事業者様(従業員30名以上)
- 業界: 不動産
- 地域: 東京
- 規模感: 従業員数 30名以上
賃貸入居者向けのSaaSサービスを複数運営されており、不動産業界のDXを推進する急成長中の企業様です。
開発課題:SaaS事業成長に伴う「リソース不足」と「技術的負債」の深刻化
クライアント様のSaaS事業は順調に拡大しており、既存サービスの機能追加・改修、さらには新規サービスの構築が矢継ぎ早に発生していました。
しかし、その急成長の裏で、以下の3つの課題が顕在化していました。
- 慢性的な開発リソース不足: 事業の要求スピードに対し、社内のエンジニアリソースが恒常的に不足。機能追加のタスクが滞留し、ビジネスチャンスの損失が懸念されていました。
- コンポーネントの散乱と属人化: 開発スピードを優先するあまり、コンポーネント設計に関する明確なルールが不在でした。結果として類似のコンポーネントが乱立・散乱し、コードの可読性やメンテナンス性が著しく低下していました。(技術的負債)
- 共通コンポーネント基盤の不在: 今後、複数の新規サービス構築を計画する上で、サービス間で共通して使えるUIコンポーネントの仕組みがなく、サービスごとに同じような開発が重複することが予測されていました。
これらの課題を解決し、将来的な事業拡大に耐えうる「高速かつ高品質な開発体制」を構築するため、アジャイル開発の経験と高度な技術知見を持つALBYにご相談をいただきました。
ALBYのソリューション:アジャイルチームへの参画と、開発基盤の抜本的改善
ALBYは、クライアント様の課題に対し、単なるリソース提供に留まらない、開発体制の「根本改善」を見据えたソリューションを提供しました。
1. 即戦力としてのフルスタック支援(リソース不足の解消)
ALBYからフロントエンドエンジニアおよびバックエンドエンジニアがプロジェクトに参画。クライアント様のアジャイル開発チームの一員として、Vue.js, Nuxt.js, Ruby on Railsを用いた新規機能開発・改修を即戦力として推進し、停滞していた開発タスクを解消しました。
2. コンポーネント設計・共通化の主導(技術的負債の解消)
ALBYのエンジニアが中心となり、深刻な課題であったコンポーネントの再設計を主導しました。
- 既存コンポーネントの棚卸しと再設計: 散乱していたコンポーネントを棚卸し、あるべき設計ルールを定義。
- 共通コンポーネント基盤の構築: Nuxt.js等を活用し、複数サービスで共有可能なコンポーネントライブラリの基盤を設計・実装。これにより、将来のサービス開発における工数削減とUI/UXの統一を実現しました。
- 品質担保: 設計・実装だけでなく、関連するテストコードの実装までを一貫して担当し、品質を担保しました。
3. CI/CD導入による開発プロセスの自動化
ALBYは、開発効率のさらなる向上のため、開発プロセスそのものの改善を提案。CI/CD (継続的インテグレーション/継続的デリバリー) パイプラインの導入を支援しました。これにより、テストとデプロイのプロセスが自動化され、エンジニアがより付加価値の高い開発作業に集中できる環境を整備しました。
採用技術スタック:モダンSaaS開発を支える技術群
- Vue.js / Nuxt.js: フロントエンドのUI/UX構築および共通コンポーネント基盤の構築。
- Ruby on Rails: 既存バックエンドシステムの機能追加・改修。
- express.js: 一部新規マイクロサービスのAPI開発。
- MySQL: データベース。
導入効果:開発効率の大幅向上と、スケーラブルな開発体制の実現
ALBYの支援により、クライアント様は8ヶ月という期間で以下の大きな成果を達成されました。
- 開発スピードの大幅な向上: リソース不足の解消とCI/CD導入による開発プロセスの自動化により、新規機能のリリースサイクルが劇的に短縮されました。
- メンテナンス性の高いコード資産の獲得: コンポーネントが整理・共通化されたことで、コードの可読性とメンテナンス性が飛躍的に向上。属人化が解消され、新規メンバーのオンボーディングもスムーズになりました。
- 将来の事業拡大への対応力強化: 共通コンポーネント基盤が整備されたことで、今後の新規SaaSサービス立ち上げ(ゼロからの開発)を、低コストかつスピーディーに実現できる土台が整いました。
まとめ:アジャイル開発支援と技術的負債の解消で、SaaSの成長を加速
本事例は、ALBYが単なる開発リソースの提供(ラボ型開発)に留まらず、クライアント様のアジャイル開発チームに深く入り込み、「技術的負債の解消」や「開発プロセス(CI/CD)の改善」といった根本課題まで解決できるパートナーであることを示しています。
株式会社ALBYは、PoC・MVP開発による新規事業の立ち上げだけでなく、すでに成長フェーズにあるSaaS企業の「開発体制の強化」や「技術刷新」も強力に支援します。
「開発リソースが足りず、プロダクトの改善が追いつかない」 「技術的負債を解消し、開発効率と品質を両立させたい」 「アジャイル開発を導入・推進できる技術パートナーが欲しい」
このような課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度、株式会社ALBYにご相談ください。(将来的なAI・生成AIの活用や、クラウド活用の最適化についてもご支援可能です。)

