「ニッチなBtoB市場でオークションサイトを立ち上げたいが、開発期間とコストが課題だ」
「既存のECプラットフォームでは、自社特有の複雑な取引要件に対応できない」
こうした悩みを抱え、新規事業の立ち上げに踏み出せない企業様は少なくありません。特にBtoB向けのWebサービスでは、迅速な市場投入(MVP開発)と、業界特有の複雑な要件の両立が成功の鍵となります。
本記事では、株式会社ALBYがどのようにしてモダンな技術スタックを駆使し、クライアント様の課題であった「BtoB向けオークションサイト」をわずか4ヶ月でゼロから開発したのか、その成功事例をご紹介します。
クライアント概要:東京を拠点とするEC事業者様
- 業界: EC
- 地域: 東京
- 規模感: 従業員数 10名以上
特定の専門分野におけるBtoB取引のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進すべく、新たなECプラットフォームの構築を模索されていました。
開発課題:BtoBオークションサイト新規構築における「スピード」と「特殊要件」の両立
クライアント様は、新規事業として特定の業界(例:専門機材、美術品など)に特化したBtoB向けのオークションサイトの立ち上げを計画されていました。
主な課題は以下の2点です。
- 迅速なサービスインの必要性:
競合がまだ少ないニッチ市場において、いち早くサービスを投入し市場の反応を見ることが重要でした。そのため、**MVP開発(Minimum Viable Product: 実用最小限の製品)**による迅速なリリース(目標4ヶ月)が必須条件でした。
- 複雑なオークション要件:
一般的なECカート機能とは異なり、BtoB取引特有の複雑なオークションロジック(例:クローズドな参加者管理、リアルタイムでの入札更新、代理入札機能など)の実装が求められました。
社内に専任の開発リソースがなく、「ゼロからの開発」をスピーディーかつ柔軟に実現できる開発パートナーを探されていたところ、弊社のPoC・MVP開発の実績にご関心をお持ちいただき、ご相談をいただきました。
ALBYのソリューション:Supabase活用によるバックエンド開発の効率化と、PoC的なアプローチ
ALBYは、クライアント様の「スピード」と「特殊要件」という二つの相反するような要求に応えるため、モダンな技術選定と開発アプローチを提案しました。
1. クラウド活用(Supabase)による開発の高速化
本プロジェクトの最大の鍵は、クラウド活用による開発工数の大幅な削減です。
ALBYは、BaaS (Backend as a Service) である Supabase の採用を提案しました。
Supabaseは、認証、データベース (PostgreSQL)、リアルタイム機能、ストレージなどをワンパッケージで提供するプラットフォームです。これにより、通常であれば多くの工数がかかるバックエンド機能(特にオークションのリアルタイム入札状況の反映など)を効率的に実装。インフラ構築の手間も最小限に抑え、4ヶ月という短納期実現の基盤を築きました。
2. MVP開発スコープの明確化
プロジェクト形式は全体管理上「ウォーターフォール」を採用しましたが、その前段階の要件定義において、ALBYが**PoC(概念実証)**的なアプローチを主導しました。
まずは「BtoBオークションサイトとして絶対に外せない最小限の機能」をクライアント様と徹底的に議論し、MVPのスコープを明確化。このプロセスには、ALBYが得意とするアジャイル開発で培った、優先順位付けと迅速なスコープ調整のノウハウが活かされています。
3. モダンフロントエンドによるUX向上
フロントエンドには Next.js を採用。高速なページ表示速度と優れたUX(ユーザー体験)を実現し、専門的な商材を扱うBtoBサイトとしての信頼性を高めました。UI実装には TailwindCSS を用い、デザインの反映もスピーディーに行いました。
採用技術スタック:Next.js, Supabase, Deno によるモダンな開発環境
本プロジェクトで採用した主な技術スタックは以下の通りです。
- Next.js: 高速なUI/UXとSEOに優れたフロントエンド開発を実現。
- Supabase (PostgreSQL): バックエンド開発の工数を大幅に削減し、リアルタイム機能(入札)を実装。
- Deno: オークションの終了処理など、信頼性と安全性が求められるサーバーサイドのバッチ処理に活用。
- TailwindCSS: UI開発の効率化と迅速なデザイン適用。
ALBYは、こうしたモダンなクラウド活用技術を組み合わせ、クライアント様の要件に最適な開発環境を迅速に構築します。
導入効果:4ヶ月でのサービスインと、将来的なAI・生成AI活用への布石
ALBYのソリューションにより、クライアント様は以下の効果を実現されました。
- 目標だった4ヶ月でのサービスインを達成:
競合他社に先駆けてニッチ市場への参入を果たし、早期に初期ユーザーを獲得することに成功しました。
- 開発コストの大幅な削減:
Supabaseの活用により、従来のフルスクラッチ開発と比較して、バックエンド開発コストを推定で約40%削減。
- アジャイルな改善サイクルの実現:
MVPとしてリリース後、即座にユーザーフィードバックの収集を開始。次の機能改善フェーズへスムーズに移行できる体制が整いました。
- 将来的な拡張性の確保:
今回の開発で収集したオークションデータ(入札履歴、落札価格)は、将来的な機能拡張の貴重な資産となります。ALBYでは、今後の展望として「AIによる落札価格の予測機能」や、「生成AIを活用した商品説明文の自動生成サポート機能」の導入も視野に入れた、拡張性の高いシステム設計を行っています。
まとめ:MVP開発とクラウド活用で、BtoBビジネスのDXを加速
本事例は、MVP開発の適切なスコープ定義と、Supabaseというモダンなクラウド活用を組み合わせることで、BtoB向けの複雑なWebサービスであっても「ゼロから」短期間で立ち上げ可能であることを示しています。
株式会社ALBYは、今回のようなPoC・MVP開発からのスピーディーな立ち上げはもちろん、その後の機能拡張、さらにはAI・生成AIの活用までをワンストップで支援する開発パートナーです。
「新規事業のアイデアを素早く形にしたい」
「複雑な業務要件を、最新のクラウド技術で解決したい」
「アジャイル開発で柔軟にサービスを成長させたい」
このような課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度、株式会社ALBYにご相談ください。


