「受講者一人ひとりの理解度に合わせた指導を行いたいが、講師のリソースが追いつかない」 「Eラーニングシステムに生成AIを導入したいが、具体的な実装方法や開発スピードに不安がある」
教育業界において、テクノロジーを活用した「個別最適化学習」は大きなテーマです。特に生成AIの登場は、その可能性を飛躍的に高めました。しかし、AIを組み込んだシステムを「ゼロから」短期間で開発することは容易ではありません。
本記事では、株式会社ALBYが、クライアント様の課題であった「講師のフィードバック負荷」と「画一的な学習体験」を、OpenAIとアジャイル開発を駆使してどのように解決したのか。わずか3ヶ月でのMVP開発成功事例をご紹介します。
クライアント概要:東京を拠点とする教育サービス事業者様(従業員30名以上)
- 業界: 教育
- 地域: 東京
- 規模感: 従業員数 30名以上
専門スキルや資格取得のための教育プログラムを提供されており、質の高い指導と受講者の学習効果最大化を追求されている企業様です。
開発課題:Eラーニングにおける「学習効果の最大化」と「講師の工数削減」
クライアント様は、既存のEラーニングシステムにおいて、以下の二つの大きな課題を抱えていました。
- 講師のフィードバック工数の逼迫: 受講者の増加に伴い、提出される課題や質問への対応が急増。講師が一人ひとりへ手厚いフィードバックを行う時間が物理的に限界に達しており、教育の質の低下が懸念されていました。
- 画一的な学習体験: 従来のシステムでは、受講者の理解度や進捗に関わらず、一律のコンテンツしか提供できていませんでした。学習効果を高めるため、よりパーソナライズされた指導の実現が求められていました。
そこで、これらの課題を「生成AI」の活用によって解決し、かつ迅速に市場へ投入するためのMVP開発パートナーとして、ALBYのアジャイル開発とAI実装技術にご期待いただきました。
ALBYのソリューション:OpenAI組み込みとアジャイル開発による高速MVPリリース
ALBYは、クライアント様の課題に対し、「AIによるフィードバック自動化」を中核に据えたMVP開発を提案。プロジェクト形式にはアジャイル開発を採用し、わずか3ヶ月でのサービスインを実現しました。
1. OpenAI(生成AI)活用によるフィードバックの即時生成
本プロジェクトの核心は、OpenAI (GPTモデル) を活用したAIフィードバック機能の実装です。
- 受講者がシステム上で課題を提出すると、AIが即座に内容を分析。あらかじめ定義された評価基準に基づき、具体的かつ丁寧な一次フィードバックを自動生成します。
- 講師はAIが生成した内容をレビュー・承認(または微修正)するだけでよくなり、フィードバックにかかる時間を大幅に短縮しました。
- このAI機能のバックエンドは、Python (FastAPI) を用いて構築し、フロントエンドのNext.jsとセキュアかつ高速に連携させています。
2. アジャイル開発による迅速な価値検証
3ヶ月という短納期を実現するため、ALBYは徹底したアジャイル開発プロセスを導入しました。
- PoC(概念実証)の先行: 開発初期段階で、まず「OpenAIを使ったフィードバック生成」という最も重要な機能の技術検証(PoC)を優先的に実施。リスクを早期に特定しました。
- スプリント単位での改善: 2週間を1スプリントとし、スプリントごとに「AIフィードバックの精度」や「講師用の管理画面のUI」などをクライアント様とレビュー。優先順位を柔軟に変更しながら、最も価値の高い機能から順に実装を進めました。
3. クラウド活用(Supabase)による開発基盤の高速構築
バックエンド基盤にはクラウド活用が鍵となるBaaS、Supabase を採用。 これにより、ユーザー認証、受講者の学習進捗管理、課題データの保存といったEラーニングシステムの基本機能を「ゼロから」構築する工数を大幅に削減。開発チームはAI機能の実装にリソースを集中させることができました。
採用技術スタック:OpenAI, Python, Supabase を連携させたモダンな構成
- Next.js: 受講者・講師双方にとって直感的で高速なUI/UXを提供。
- TailwindCSS: UI開発の効率化とデザインの一貫性を担保。
- Supabase (PostgreSQL): データベース、認証、ストレージをワンストップで提供するクラウドBaaS。
- OpenAI API: 生成AIによるフィードバック機能の中核。
- Python (FastAPI): AIモデルと連携し、フィードバックロジックを実行するAPIサーバーを構築。
導入効果:3ヶ月でのリリースと、講師工数の大幅な削減
ALBYのソリューション導入により、クライアント様は以下の劇的な効果を達成されました。
- アジャイル開発による3ヶ月でのMVPリリース: 計画通り3ヶ月で新Eラーニングシステムをリリース。競合に先駆けてAIを活用した新しい学習体験の提供を開始できました。
- 講師のフィードバック工数を約60%削減(推定): AIが一次フィードバックを担うことで、講師は「AIでは難しい、より深い思考を促す指導」に時間を使えるようになり、教育の質が向上しました。
- 受講者の学習モチベーション向上: 課題提出後、24時間365日いつでも即座にフィードバックが得られるようになり、受講者の学習サイクルが高速化しました。
- 将来のAI活用への拡張性確保: 今回構築したAI基盤と収集データを活用し、今後は「受講者ごとの弱点を分析し、カリキュラムを自動生成するAI」など、さらなる機能拡張への道筋が立ちました。
まとめ:アジャイルと生成AIで、教育の「個別最適化」を実現
本事例は、生成AIという最先端技術と、アジャイル開発という柔軟な開発手法を組み合わせることで、教育業界の長年の課題であった「個別最適化学習」と「講師の工数削減」を短期間で両立できることを示しています。
株式会社ALBYは、PoC・MVP開発からスタートし、クライアント様のビジネス価値を最速で検証・実現することを得意としています。
「自社のサービスにAIや生成AIを組み込みたい」 「アジャイル開発で、市場の変化に素早く対応できるシステムを構築したい」 「Supabaseなどのクラウド活用で、開発コストとスピードを最適化したい」
このようなご要望をお持ちの企業様は、ぜひ株式会社ALBYへお気軽にご相談ください。


