製造業・卸売業の経理部門では、取引先ごとに形式が異なる「検収書(支払通知書)」と、自社の「請求書(売掛情報)」の突合せ業務が大きな負担となっています。
多くの企業が導入を検討する「AI-OCR」は、帳票をデジタル化できても、突合せに必要なコードや商品名が記載されていないケースまでは対応できず、自動化を断念するケースが少なくありません。
ALBYは、この「記載不備」という課題を生成AIによる推論マッチングで解決します。
PoC(概念実証)から、貴社専用のWebシステム開発、基幹システム連携までを一気通貫でご支援し、属人化していた経理業務のDXを実現します。
お客様の課題:パッケージAI-OCRでは無理だった。目視と経験則に頼る突合せ作業
今回ご支援したA社(製造・卸売業)では、基幹システムの入れ替えを控える中、既存の経理業務の非効率性が経営課題となっていました。
- 膨大な手作業: 月間1,000件を超える取引のうち、約40社の取引先からは形式がバラバラ(紙、PDF、CSV等)な検収書が送付され、基幹システムの売掛情報と目視で突合していた。
- 属人化: 検収書には得意先コードや正確な商品名の記載がなく、担当者の経験則頼りの作業となっていた。
- 自動化の壁: パッケージのAI-OCRを検討したものの、キー情報が不足しているため単純な文字列マッチングができず、多くのベンダーから「この業務の完全自動化は困難」と回答されていた。
ALBYのソリューション:生成AIによる「推論」と業務特化のシステム開発
当社は、パッケージ製品では対応できないA社の複雑な業務要件に対し、まずPoC(概念実証)の実施をご提案しました。
1. PoC(概念実証)による「推論マッチング」の検証
課題となっていた「記載項目が不十分な検収書」を、当社の生成AI技術(LLM)を用いて売掛情報とマッチングさせるPoCを実施。
- 従来のOCR(失敗例): 文字列の一致のみを見るため、コードや正式名称がないと「不一致」と判断。
- ALBYの生成AI(成功例): 取引先名、金額、日付、商品名の一部、過去の取引パターンなどを総合的に解釈し、「おそらくこの売掛データに対応する」という推論を実行。
このPoCにより、目視と経験則で行っていた作業を95%以上の精度で自動マッチングできることを実証しました。
2. 業務に最適化されたWebシステム開発
PoCの結果に基づき、以下の機能を持つクラウド型突合システムを開発しました。
- マルチフォーマットAI-OCR: 紙(スキャンPDF)、メール添付PDF、CSVなど、あらゆる形式の検収書データを高精度でデジタル化。
- 生成AIマッチングエンジン: デジタル化した検収書データと、基幹システムの売掛情報(CSVやAPI経由で取得)をAIが自動突合。
- 確認・承認ワークフロー: AIが「一致」と判断したものは自動処理。「不一致」または「要確認(推論結果)」と判断したものだけを担当者(約3名)がWeb画面で最終確認。
- 基幹システム連携: 導入予定の新基幹システム(オンプレミス型「アラジンオフィス」等)とも柔軟に連携できるアーキテクチャ設計。
基幹システムの導入スケジュールや、経理部門の皆様からのフィードバックを柔軟に取り入れながら開発を進め、本当に現場で使えるシステムを構築しました。
導入効果:属人化の解消と、圧倒的な工数削減
- 工数80%削減: 突合せ業務にかかっていた工数(月間 約40時間)が、AIによる自動化と確認作業の効率化により、月間 約8時間に短縮。
- 属人化の解消: 特定担当者の「経験則」に依存していた作業をシステム化・標準化。ヒューマンエラーも撲滅。
- 新基幹システムへのスムーズな移行: 煩雑な突合せ業務を事前にスリム化できたことで、新基幹システム導入(2026年末予定)プロジェクトも円滑に進行。
このようなお悩みはありませんか?
- 形式の異なる請求書・検収書の突合せに毎月追われている。
- AI-OCRを検討したが、自社の帳票では記載項目が不足しており自動化を断念した。
- 基幹システムの入れ替えを機に、周辺の経理業務もDXしたい。
- パッケージ製品では対応できない複雑な要件を、カスタム開発で解決したい。
ALBYの「生成AI活用コンサルティング」と「業務特化のシステム開発」が、貴社の課題を解決します。
まずはPoC(概念実証)からご一緒させてください。お気軽にご相談ください。

